開催レポート「当事者の声がつくるマイ防災プロジェクト                                                           〜家族で備えるわが家の安心〜」

特定非営利活動法人市民社会サポートやまがたの自主事業として、「当事者の声がつくるマイ防災プロジェクト 〜家族で備えるわが家の安心〜」を2025921日(日)に山形市男女共同参画センター・ファーラ 5階で開催しました。

講演:「我慢をしない防災へ
                       〜障がい当事者からはじまるみんなの安心〜」

日本福祉大学 社会福祉学部 講師である菊池遼先生による講演が行われました。菊池先生は災害福祉論やNPO論を専門とし、災害時の被災者支援やNPO・ボランティアの役割について研究・実践を行っています。

東日本大震災時の経験を踏まえ、特に知的障害や精神障害を持つ人々の被災地での暮らしが可視化されていないという現状を指摘。

 

また、災害が発生すると、私たちから「ふだんのくらしのしあわせ」が奪われてしまうという視点を示しました。

さらに、災害時の支援においては、行政は万能ではない一方で、公的な責任はあること、そして緊急時には公的な支援よりも民間の支援のほうが優秀な場合があるとのこと。

 

菊池先生は、自分たちの住む地域にあった災害対策をすべきであり、災害時にどう過ごしたいかをトップダウンではなくボトムアップで自分たちの意思で決めていくといい、そのためには、ルールはしたがうものではなく、ルールはつくるものという発想の転換が求められると話されました。

また、令和6年能登半島地震の実態として、ライフライン停止時に最も困ることとしてトイレの問題があること や、福祉避難所として指定されていなかった施設が結果的に福祉避難所となった際の対応事例を日本福祉大学の永田さんが紹介してくれました。

福祉避難所は必ずしもオールマイティではなく、開設されない可能性すらあるため、福祉避難所に頼りすぎない発想の重要性を示唆しました。

最後に「自立とは『依存先を増やすこと』」と話され、災害時に限らず、お互いが助け合える社会・地域づくりを目指すことの重要性を伝えてくださいました。

 

 

ワークショップ

講演後、菊池先生と日本福祉大学の学生さんがファシリテーターを務め、ワークショップを実施しました。

ワークショップの目標は、「困りごとを見える化し、足りない資源をどう補えるかを一緒に考える!」こと。

ワークショップでは

      1.資源のポストイット化: ワークシートに記入した「災害時に必要な資源・欲しい資源」を一つずつポストイットに書き出しました。

      2.マトリクスを描き分類: 資源のポストイットを、必要度(高/低)や、入手・準備方法(自分で事前準備/誰かが準備行政・社協・NPO・地域)に沿って模造紙の表に分類しました。

                                                                           3.不足する資源への注目と獲得方法の検討: 「災害時に不足する資源」について、その資源をどうすれ

                                                                             ば手に入れられるか、その獲得方法についてグループで話し合われました。

 

このワークショップを通じて、障害当事者の声を生かし、自分たちで災害を乗り越えるための具体的な備えと、それを地域や行政と連携してどう実現するかを考える機会となりました。参加された皆様、菊池先生、ファシリテーターや事例紹介をしてくださった日本福祉大学の永田さん、ありがとうございました。